20211224 クリスマスイブ礼拝(金曜祈祷会)
聖書:ルカの福音書1:38
題目:イエスの誕生に対するマリアの信仰
説教:高曜翰 伝道師
場所:Jesus Love Church
「マリアは言った。『ご覧ください、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおり、この身になりますように。』すると、み使いは彼女から去って行った。」(ルカ1:38)
1.クリスマス
クリスマスは、多くの人が心待ちにする特別な日です。
子どもたちはプレゼントを、カップルは良い雰囲気を、家族は家でおいしい料理を楽しむことを期待します。
そして、クリスマスが思いどおりになって喜ぶ人がいる一方で、期待どおりにいかず、失望してしまう人もいます。
2.ユダヤ人の態度
ユダヤ人たちも、ある意味ではクリスマスに失望した人々でした。
31節には「名をイエスと名付けなさい」とありますが、「イエス」という名前自体は当時、非常によくあるありふれた名前でした。
「イエス(イェシュア)」は「ヤハウェは救う」という意味で、ヨシュアと同じ語源です。
また「キリスト」とは、「油を注がれた者」の意味で、ヘブル語の「マシアハ(メシア)」、ギリシャ語の「クリストス」に対応します。
これらの言葉から、ユダヤ人たちがメシアに対してどれほど大きな期待を抱いていたかが分かります。
ルカ1:32–33ではこう語られています。
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「その子はすぐれた者となり、いと高き方の子と呼ばれる。」
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「父ダビデの王位をお与えになります。」
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「ヤコブの家をとこしえに治め、その国は終わることがない。」
これは、イザヤ書9:6–7、7:14にあるメシア到来の約束が成就することを示しています。
人々のメシアに対する期待はさらに高まりました。
人々は、メシアが来ればローマを倒し、イスラエルを再建し、永遠の王国を打ち立ててくれると期待しました。
しかし実際はどうだったでしょうか。
イエスは宮殿ではなく、臭くて冷たく暗い家畜小屋で生まれました。
王に命を狙われ、逃亡し、最後には十字架で死なれました。
この世の王国を期待していた人々はイエスに失望しました。
「メシアが死ぬはずがない」と考えていたからです。
しかし、預言が語っていたのは「この世の国」ではなく、「神の国」でした。
そしてその完全な成就は、イエスの再臨の時に起こるのです。
3.マリアの態度
マリアはどのように応答したでしょうか。
ルカ1:29には「マリアは言葉に心を騒がせた」とあります。
ここで使われる「ティアロギソマイ」という言葉は、
“考える・議論する・思いめぐらす” といった深い思案を表す語です。
マリアは、ただ驚いただけではなく、その出来事の意味を深く考えました。
同じように、
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ルカ2:19(スンテーレオー):羊飼いたちが礼拝に来た時
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ルカ2:51(ディアテーレオー):イエスが神殿で語った時
マリアは起こった出来事を心に受け止め、その意味を思い巡らす信仰を持っていました。
自分の考えよりも、神様の思いを優先する姿勢が彼女の中にありました。
そして彼女はこう応えます。
「お言葉どおり、この身になりますように。」(ルカ1:38)
この姿勢は、後にゲツセマネで祈られたイエスの言葉に通じます。
「わたしの思いではなく、御心がなりますように。」(ルカ22:42)
4.結論
皆さんはクリスマスに何を期待していますか?
この後のクリスマス・プログラムを楽しく過ごせることを期待しているかもしれません。
しかし、もし期待どおりにいかないことがあったら、何を思いますか?
「神様に失望する」と感じるでしょうか。
そうではなく、
自分の考えとは異なる結果が出た時こそ、マリアのように、
「お言葉どおり、この身になりますように。」
と告白できる信仰を持つことを願います。


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