20220226土曜家庭礼拝
聖書:士師記4:1–16
題目:デボラの信仰
賛美:305番
説教:高曜翰 伝道師
場所:家庭
1.カナン側の勢力
カナンには ハツォルの王ヤビン(「ヤビン」は“王”を意味する語)と、
その軍の将軍 シセラ がいた。
ハツォルは ガリラヤ湖の北西に位置し、カナン王国の首都とも呼べる重要な都市である。
北はガリラヤ、南はエルサレムが要所であり、
ヨシュア記11章では、このハツォルを中心として周辺の王たちがイスラエルと戦った。
かつてヨシュアによって徹底的に焼き払われた場所であったが、
生き残ったカナン人によって再び勢力が立て直されたと考えられる。
また、彼らは 鉄の戦車900両 を備えてイスラエルを苦しめた。
(当時、世界最強の国家エジプトでも1000〜2000両ほどの戦車しか保有しておらず、
鉄製戦車900両は非常に強力な軍事力であった。)
2.イスラエル側の勢力
イスラエルには 女預言者デボラ が立てられ、
士師としての役割は バラク に与えられた。
このバラクは、民数記23章に出てくるモアブの王バラクとは別の人物で、
ヘブル11章32節にも「信仰の人」として名が挙がる人物である。
しかし彼はリーダーシップに欠け、「デボラが行かないなら、私も行かない」と言うほど弱さがあった。
それでもデボラは自分が前に立つのではなく、彼にリーダーシップを取らせた。
さらに、戦いの中心となった部族は ゼブルン と ナフタリ という比較的弱い部族であった。
これらの部族は「異邦人のガリラヤ」(イザヤ9:1、マタイ4:15)として後に光(メシア)を受けることになる。
弱い部族にこそ、神の栄光が現れるのである。
また、エフライム、ベニヤミン、マナセ(マキル)、イッサカルも助けに来たが、
ルベン、ガド、マナセ半部族、ダン、アシェル、そして近くのメロズの住民は戦いに参加しなかった。
「自分には関係ない」という態度だったのである。
当時、イスラエルは武器をカナン人に奪われ、農業すらできず、
常にカナンの圧政に怯えている状態であった。
3.イスラエルの勝利
デボラは前線に立ち、バラクを励まし続けた。
戦いの結果、天からの助けによってキション川が増水し、鉄の戦車は動かなくなった。
これによってカナン軍は大混乱に陥り、敗北した。
逃げたシセラ将軍は、ケニ人の女性 ヤエル(本来はカナン側に属する)によって討たれた。
その後、カナンの王ヤビンの勢力も完全に打ち倒された。
4.デボラの信仰
イスラエルが弱かった最大の理由は、カナンの神々を拝んでいたことにあった。
サタンはクリスチャンを倒すだけではなく、戦えないようにする ことを望む。
デボラは頼りない男たちを叱責しつつも、自分がリーダーになろうとはしなかった。
弱い者を用いられる神様の御業を認め、バラクを励まして立たせた。
さらに、勝利した後もそこで終わりにせず、
5章で賛美の歌を作り、次の世代が神を愛し続け、力を得られるように導いた。
「あなたを愛する者が太陽の勢いよく上るようになりますように」(5:31)
その結果、40年間の平和が与えられた。
5.結論
デボラは自分を誇るのではなく、神の秩序(男が主導権を持つ) を尊重した。
また、強い者ではなく 弱い者を通して働かれる神の栄光 を認め、その御心に従った。
弱いバラクが弱い人々を率いて勝利したのは、
神様に従ったから である。
私たちも同じように、将軍である神様に従うとき、勝利が与えられる。
そして、すべての聖書はイエス・キリストに向かって証ししている(ヨハネ5:39、ルカ24:27)。
デボラの物語もまた、弱者を通して救いを成し遂げられるキリストを指し示している。


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