20220305土曜祈祷会
聖書:創世記 6:1–8
題目:悪魔の計画
賛美:430番
説教:高曜翰 伝道師
場所:大阪中央教会
1.ネフィリムとは何か
2節に「神の子たちは人の娘たちを妻にめとった」とある。「神の子」とは旧約聖書では天使を指し、ここでは堕落した天使、すなわち悪霊を意味する。「人の娘たち」とは人間の女性であり、カインの子孫もセツの子孫も含まれる。
「美しいのを見て」とは性的な誘惑を表し、「妻にめとった」とは堕天使と人間の女性との結婚を指す。天使自体には性別がなく出産能力もないが、目に見える形で現れるときは常に若い男性として現れる。霊的存在であるため天使は天使を産まないが、超人的な存在を生み出すことは可能である。
※「セツ系とカイン系の結婚」と解釈する学者もいるが、旧約聖書における「神の子」という言葉の使われ方、人間の女性を限定して「人の娘」と表現している点などから、その可能性は低いと考えられる。
70人訳聖書では「ギゲンテス(巨人)」と訳され、英語の”giants”の語源となっているが、ここで言うネフィリムは必ずしも巨人を意味しない。
洪水の目的の一つは、堕天使と人間の女性、そしてその子孫を滅ぼすためであった。堕天使たちは暗闇の穴(ギリシャ語でタータラス)に閉じ込められたとされる(2ペテロ2:4–5)。
つまりネフィリムとは、堕落した天使と人との間に生まれた堕落した存在である。また「彼の年は120年」とは、120年後に神の裁きが下ることを示している。
2.ネフィリムの目的
アダムとエバが「見て美しかった」木の実を取って、神と人の境界を越えようとしたように、悪霊も同じ方法で人間の女性を奪い、人と天使の境界線を越えようとした。
その目的は、創世記3:15で約束された「女の子孫」の誕生を妨害することである。つまり、神の契約を阻もうとする悪魔の働きである。
ネフィリムとは「力ある者」「英雄」という意味をもつ。神の創造の秩序に反する存在を英雄として持ち上げる価値観を悪魔は作ろうとする。強ければ良いという思想は、カインやラメクの価値観にも見られる。
悪魔は人を神に頼らせないようにし、自分が英雄・神のようになりたいと思わせる。モーセの死体を悪用しようとした悪魔を、天使ミカエルが阻止したという記録もある(ユダ1:9)。
「身を慎み、目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、食い尽くす者を探し求めて歩き回っている」(1ペテロ5:8)。
この御言葉の通り、霊的戦いを常に意識する必要がある。
3.結論
悪魔の目的は一貫して神の国を妨害することである。イエスさまが荒野で誘惑され、また弟子ユダが誘惑されたのもその一例である。歴史におけるユダヤ人迫害(イスラム王朝のグラナダ虐殺、ペストを原因とした迫害、ポグロムなど)にも悪魔の働きが見られる。
しかし、ノアの洪水で神がネフィリムを完全に取り除かれたように、悪は最終的に必ず神によって滅ぼされる。
そしてイエスさまが御言葉によって悪魔の妨害に勝利されたように、私たちも御言葉によって悪に打ち勝つことができる。


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